2018.12.01
<カウンセリング> 現代人の不思議

 「発病もせず現在の世の中にしっかりと適応している人を見ると,不思議に思えてならない」(つげ義春)

 だから僕は、企業から学校まで含めて今のこのゆがんだ社会に適応して、ものすごく営業成績を上げたり、成績を伸ばしていく人の方が、ある意味で異常だと思います。だからニートとか引きこもりの人たちというのは、むしろそういうことに抵抗している、警告を発しているのかもしれない。社会的にはそういう意味があると思います。
 しかしやっぱり、そういう人たちの話を聞いていってみると、自分自身を支えるもの、自我を確立していない。
 自我が確立して初めて、青年期あるいは中年期を通じて自己を確立していく。それは自分自身が自分の人生を生きてきた意味や、自分しかできない仕事を見出していくプロセスです。自分とはどんな人間なのかという、個性化ですね。それが自分自身の中の大きな支えになっているわけですね。それが中年期までなんです。

*つげ義春;漫画家

引用図書;中井吉英:いのちの医療 心療内科医が伝えたいこと:東方出版,2007.

一覧へ >