2019.04.26
<自己啓発> 猫の衣を借る豹

 本質は豹であっても自分を猫だと思い、人にもそう思われて暮らしているだけのことである。泰平の時代では、男は、女房子供を安楽に食わせることだけが機能だし、女たちが男に要求するモラルも、そこに集中している。
 幕末の長州藩をほとんど一人でかき回した高杉晋作は、現代のような安定期にうまれておれば、親族でももてあましの極道者。
 団地で女房にこきつかわれながら洗濯をしている亭主どもをみよ。かれらは乱世になればあるいは豹になるかもしれない男なのだが、世はこぞって男どもに猫になることを命じている。やむなく、日曜日には、女房子供をつれて,ピクニックなどに出かけている。男というものは、なんとかわゆくあわれな生き物ではないか。

引用図書;司馬遼太郎:司馬遼太郎が考えたこと(二):新潮文庫.

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