2019.09.18
<心理学> ジャンケンとコイントス

 「演劇的な対人関係の関係性を安定させようとすると、三すくみというのがきわめて安定した関係を形づくるためのメカニズムというふうに考えるわけです。ペアというのは、その前段階にあって非常に不安定である。それを三すくみ的に順応していくということが、日本の対人関係の形成のメカニズムの中に、常にはらまれているのではないかという感じがする。
 よく調べていないのではっきり分かりませんが、ジャンケンポンのあの三すくみの考え方というのはヨーロッパにはないんです。あれを決める場合、コインの裏表、二元対立のイエスかノーかの二者択一で全部決めてしまう。三すくみの矛盾した行動の中に解き入れることによって順応させるという知恵は、どうも東洋のものらしいという感じがあります。だから、その三すくみの順応性みたいなものをにらんでいるぶんだけ、日本ではペアに対する意思みたいなものが弱いのではないかと思います」別役 実(劇作家)

引用図書;河合隼雄全対話Ⅲ 父性原理と母性原理:第三文明社,1989.

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