2020.08.31
<癒し> マイナス思考も悪くない

 目の前にジュースが半分入っているコップがある。「半分もある」と思えれば幸福だし、「半分しかない」と思えばちょっとがっかりである。
 一般に、「半分もある」と思うのがポジティブシンキング(プラス思考)というもので、「半分しかない」はネガティブシンキング(マイナス思考)ということになっている。そして、ネガティブはよしなさい、いつでもポジティブでいなさいとよく言われる。
 どこかの医者や心理学者がそんなことを言っているのだろうが、それはあまりにも脳天気な考え方というものである。そんなことは、状況しだいでいくらでも変わるものだからである。
 砂漠の真ん中に置き去りにされ、水筒に半分の水をあるのを「まだ半分もある」などと思う人間は、よほど生きる知恵がない人間なのである。こういうときには、「もう半分しかない」と考えなければ、生き残ることはできない。
 つまり、ネガティブな考え方もときには有効であり、むしろネガティブに考えなければいけないときさえあるのだ。もちろん、悪い考え方だと一方的に決めつけるべきものではないのである。
 人間の性格は、根アカがよくて根クラはよくないと言われるのもこれと一緒だろう。陰と陽、正と邪など、人間、両面備えているのが、バランスがとれていてよろしい。問題は、一方からの見方しかできなくなり、片方を排除してしまうことにあるのだ。
 冬至とはどんな日か? と問われたとき、一年で昼が一番短い日」と答えるのが普通である。しかし、「夜が一番長い日」という答え方もある。どちらも正解なのである。その上で、「一番夜遊びができる日だ。うれしいな」となれば、レベルの高いプラス思考と言えるだろう。

参考図書;菅野泰蔵:こころがホッとする考え方:すばる舎,2000.

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