- 2021.01.13
- <心理学> 自分らしさ
私は、この世にひとりでうまれてきた。自分を信じて世界を信じて人を信じて、私はスッポンポンのハダカンボウで生まれてきた。私はありのままの気持ちを思いきりあらわしていた。
いつの間にか私は、愛されたくて、認められたくて、外の鏡に自分を合わせて生きていくようになった。
「強くたくましく育つんだ」
「いい子でね」
「みんな仲良く」
「スリムなボディで」
優等生の私は、いつもがんばる。なんでも完璧にできるのが当たり前。
私は、疲れを感じないフリをしていた。私は辛かった。
私は、ボーッとしたり、遊びたかった。
世話焼きの私は、自分のことを二の次にする。人のために役立つことばかり考える。
私は、自分の不安を感じないフリをしていた。
私は、誰よりも自分に優しくしたかった。
私は、自分の世話をしたかった。
透明人間の私は、目立たないようにスミにいる。迷惑をかけないように、ひっそりと。
私は、いつも、みんなのことを気にしながら見ていた。
私は、みんなの中に入っていきたかった。
私は、友達が欲しかった。
ひょうきんな私は、いつも人を笑わせる。人のこころを和ませるように。
私は、涙を隠していた。
私は、まじめな私も見て欲しかった。
お人形の私は、力なくもたれかかる。かわいがってもらえるように。
私は、自分ひとりでは立てないフリをしていた。
私は、自分の力をあきらめていた。
私は、本当は自分で選んで、自分で決めて、自分から動きたかった。
問題児の私は、いつも問題を起こす。だれかが心配してくれるように。
私は、自分を傷つけた。
私は、自分も他人も傷つけないで、私の優しさを伝えたかった。
私は、自分を認めて欲しくて、愛して欲しくて、自分の一部を演じてきた。
自分を守るために、外の鏡に映して、自分を捻じ曲げた。
気づいたら私は、自分がわからなくなっていた。
でも、それは私のほんの一部分
リアルな私は、限りなく広い、深い。
私は、今まで自分にムリをしてきたぶん、これからきっと新しい自分を見つけていくだろう。
新しい”自分らしさ”に出会えるだろう。
私は、私を何よりも大切にしよう。
私は私。それでいい。
引用図書;八巻香織:ひとりでできるこころの手あて:太郎次郎社エディタス,2020.
「強くあれ」「人を喜ばせよ」「完全であれ」「もっと努力せよ」「急げ」という心への声に、人は駆り立てられている。