2020.03.16
<癒し> 名言

 時計の針を戻すことはできないが、ネジを巻き直すことはできる。
 物事を始めるのに遅すぎることはない。
 幸せになるのに遅すぎることはない。

引用図書;前田和男 編:生きる勇気がわいてくる207のメッセージ:KKベストセラーズ,2000.

2020.03.14
<癒し> 無力の自覚が大切

 聖マリアンナ医科大学の周産期センターの臨床心理士、橋本洋子さんの話である。
 ここで働く医者や看護婦は大変な緊張感をもって仕事をしている。少しのことで赤ちゃんが死亡したり、大きい障害が残ったりするからだ。センター長のはからいで、橋本さんは勤めたものの、まったくの無力感に襲われる。赤ちゃんの状態が危険になるとアラームが鳴り、それに対処すべく、医者も看護婦も一瞬の息抜きもなく働いている。しかし、橋本さんは何の手助けもできない。要するに自分は「邪魔者」にしか過ぎないのではと感じていたとき、ふと気づくと、自分と同じ無力感を味わいながら、そこにたたずんでいる人がいることに気がついた。それは、保育器のなかに入っている赤ちゃんの親であった。
 自分の赤ちゃんに触れることもできず、親はただ黙って見ているだけ。父親も母親もまったく無力なのだ。そのようなことに気づいたとき、その親と橋本さんとの間に不思議な心のつながりが生まれてきた。相談室で向き合うと、親御さんからはつぎつぎと溢れるように言葉が出てきた。それまで、言いたくても誰にも言えない言葉が、一杯につまっていたのだ。
 ほとんどすべての方が、自分の罪悪感について語られる。「あんな状態で生んでしまって……」と。なかには自分のしたり考えたりしたことが「原因」になっていると思うと言う人もある。しかし、それらはほんとうのところは個人の罪でも何でもない、ただ致し方のない不幸が生じているのだ。
 そこで橋本さんのしたことは、「すぐに慰めない」ことだった。「慰めると終わってしまう」とも彼女は言っている。と言って、もちろん聞き流すのではない。心をこめてじっと聴き、その悲しみや苦しみを受けとめている。そうすると、なかには、「あんな子はいらない」「自分の子と思えない」と言う人もあった。
 しかし、そこまで言ってしまうと、「いや、赤ちゃんも生きようと頑張っているのに」とか、「私もこの子と一緒に大人になっていくのです」などという肯定的な言葉が出てきて、母親も父親も急激に変化し、親としての責任をもって頑張ろうとする姿勢が見えてくる。
 詳しいことを伝えられず残念だが、このような橋本さんの仕事を理解して、医療スタッフの人たちも協力するようになり、周産期センター全体の雰囲気も変化してくる。確かに秒を争う緊張感は同じである。それなのに、そこにある種のゆとりや暖かさが生まれてくる。親にとっても同様である。
 この話から学ぶことは多い。私が一番感銘を受けたのは、「無力」ということが媒介になって、心と心が触れ合うところである。「無力」の自覚が大切なのだ。ところで、「心の教育」ということがよく言われるが、「よし子どもの心を教育しよう」などと頑張っている「有力」な人は、心の触れ合いなどできないのではなかろうか。子どもの心とそっとつながる深い体験なしに、心の教育などできないのである。

引用図書;河合隼雄:平成おとぎ話:潮出版社,2000.

2020.03.11
<癒し> 名言

 相手との関係性がギクシャクしてきたら、「相手に何かを求めていないか」確認してみる。

 人のことをとやかく言う人には、『この人は暇なんだ』。

 人のことを気にしない方法は、”気にすべき人を選ぶ”。

 人間関係って、ずっと続くほうがむしろ珍しい。

引用図書;精神科医Tomy:1秒で不安が吹き飛ぶ言葉:ダイヤモンド社,2020.

2020.03.09
<自己啓発> 人に任せる

 負けず嫌いで、同僚に負けたくないと仕事を頑張り、進んでサービス残業もした。しかし、役職でいえば、係長クラスに甘んじ、伸び悩んだ。部下を育て、マネジメントする力量がなかったからだ。
 そんな彼が交通事故に遭い、骨折で入院したのは35歳のときだった。会社の部下が見舞いに来た。
 「ぼくがいないと、仕事が大変だろうけど、頼むよ」
 「任せてください。わからないところがあったら、メールしますから」
 「ありがとう。3週間だけ、頼むよ」
 仕事のことが気になり、早めの復帰を望んだが、リハビリも含めて、結局、復帰には3カ月かかってしまった。
 その間、彼がいなくても仕事は正常に回っていた。彼の意識は180度変わった。
 部下や同僚に、仕事を任せることを知ったのである。さらに、病床でコーチングや組織論の本を読みふけったおかげで、職場に復帰するころには、部下にうまく権限を委譲する技術を身につけていたのである。
 出世の扉が開いたのは、そこからのことであった。
引用図書;廣川州伸:大人のための「寓話」50選:辰巳出版,2020.

2020.03.07
<心理学> 大人は子供に悲しみや苦しみを体験させないように努力しすぎ

 科学の発達によって、われわれが多くの苦痛を和らげたり、減少させたりできるにしろ、人間存在に固有の悲しみは無くならないのである。そして、実のところ、そのような感情こそ、人間の個性を作り出してゆくために必要なことなのである。

 ところで、大人たちは子供に悲しみや苦しみを体験させないように努力しすぎてはいないだろうか。

引用図書;河合隼雄:働きざかりの心理学:新潮文庫.

2020.03.02
<カウンセリング> 悩みに向き合う - さまざまなコーピング

 まったくなんの悩みもなく生きていくことはできない。大事なポイントは、どのように悩みと向き合っていくのか、どのように悩みとつきあっていくのかということだ。
★ストレスに対処することをコーピングとよんでいる。
 ☆無意識のコーピング;防衛機制
 ☆意図的に行われるコーピング
  〇問題焦点型のコーピング;悩みの原因にかんする情報の収集や、悩みを解決するための具体的な方法を考え、克服する対処法。悩みと正面から向き合い、闘うこと。
  〇情動焦点型のコーピング;気分転換によって不快な心身の状態をリラックスさせたり、悩みの中から良い面を見つけ出し、この悩みは悪い敵というよりはライバルなのだと肯定的に考えることで問題の意味を考え直すなど、心理的なストレス反応を和らげることに重点を置く対処法。悩みそのものと闘うのではなく、悩むことに伴うつらい気分を和らげることを目的にしている。
  〇回避・逃避型のコーピング;自分では状況をどうしても変えられないような激しい悩みや苦しみ、どうやっても肯定的にとらえることが困難な受け入れがたい悲しみにたいしては、じっとしている以外にどうしようもない。そんなときには、嵐が過ぎ去るのを待つかのように、回避・逃避型のコーピングが有効になる。

 どのコーピングの方がいいとか悪いというのではなく、がんばって闘うことによって問題の解決が可能な悩みにたいしては問題焦点型のコーピングをするのがいいし、簡単には解決できず、不快な気分に苦しむようなときには情動焦点型のコーピングが有効だといえる。

引用図書;羽成隆司/河野和明:あの人はどうしてそうしてしまうの?:ポラーノ出版,2018.

2020.02.29
<故事・ことわざ> 邯鄲(かんたん)の歩み -荘子-

 中国の北のほう燕(えん)の国の寿陵(じゅりょう)という田舎町に住む若者が、都会風の歩き方を学ぼうとして、当時の大国、趙(ちょう)の都、邯鄲(かんたん)へ行った。
 ところが歩き方をマスターする前に帰国しなければならなくなり、都会風の歩き方はまだできず、田舎風の歩き方はとっくに忘れたという始末で、とうとう故郷まではって帰った。

 自分のことも確立していないのに他のまねをしていると、本来の自分をも見失う。

 やたらに人真似ばかりすると、自分が本来持っていたものまで失って、結局すべてがだめになってしまうたとえ。

*荘子;BC369?-BC286?,中国の思想家

引用図書;
野村茂夫:老子・荘子:角川ソフィア文庫
ことわざ辞典:学研,2005.

2020.02.26
<心理学> 二種類の疲れ

 「快い疲れ」などという表現があるように、自分の力を充分に使いきった後の疲れは案外気持ちよく回復も早い。
 ところが、自分の力を使い損ねたような疲れ、自分の力をセーブすることによる疲れとでも言うべきものは、不快感と結びつき、回復も遅い。

引用図書;河合隼雄:働きざかりの心理学:新潮文庫.

2020.02.24
<癒し> 人間の魅力

 人間の基本の魅力がないがしろにされている。
 けんかが強いとか、ネバリ強いとか、そういう生身の人間の魅力の比較はあまりされないで、ペーパーテストの結果とか、東大出身・一流企業とかいうような条件的な基準ではかられてしまう。

 何か人間に対しての感度がとても悪くなってしまっているという気がする。

引用図書;山田太一:街で話した言葉:筑摩書房,1986.

2020.02.22
<癒し> 正直者はバカをみない

 正直であるということは、善い行ないをするということ。
 正直であることは悪いことではないんだから、正直者が悪い目をみることなんか、あるわけがない。

 倫理に反して得をする?
 倫理というのは、行ないの善悪のこと。
 善い行ないというのは、自分を利する行ない。
 自分を利する行ないをしないと、その人は損をするということになる。
 すると、善い行ないをしない、すなわち倫理に反することをする人が、損をしているのであって、得をしているわけではない。
 それなら、善い行ないをしないで損をしている人のことなんかほっておけばいい。

引用図書;池田晶子:さよならソクラテス:新潮社,1997.

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